生き霊に取り憑かれて大変な時期があった。
多分元彼女。
色々彼女にアドバイスしたのだが、説教だと思ったのか、図星だったのか?
それが気に障ったようで、嫌われ、別れた。
それなのに「愛してよ・・・」と、生き霊として憑いてきた。
「愛」なんて、難しすぎる課題だ。
何が「愛」なんだ?
どうして欲しかったんだ?
ただただ優しいことが望みだったのか?
何も分からず、苦しく辛かった。
「助けてくれ・・・」って叫びたいくらいに。
ある日、ぐったりしながらお風呂に入っていた。
お風呂の縁の小さな水溜まりに、虫が捕まっていた。
水から逃げられないで藻掻いているので、指に掴まらせて脱出させた。
指先の虫を見つめ、彼(彼女?)に話しかけた。
「ゴキブリとか蚊とか見つけ次第に殺すのに、偽善だよな・・・」
そしたら虫が返事をした。
「でも、そんなあなたが好きですよ。」
「え?」
びっくりした瞬間、脳裏にたくさんの羽虫が飛んでいる映像が浮かんだ。
フィギュアスケートのなんちゃって選手だった私。
冬期は、近所の竜王スケート(今は無い)というアウトドアリンクで練習していた。
照明に惹かれてやってきた羽虫たちは、スケートリンクの冷気で動けなくなって氷に落ちるのだ。
その虫たちを拾い、手のひらで温め「ハァー」っと息を吹きかけると、また動き出す。
息を吹き返したその子達を、リンクサイドの草の上に「もう来るなよ」と、放した。
どれだけの虫を拾ったのやら・・・その子達だとすぐに分かった。
助けてもらったお礼にと、苦しんでいる私を助けに来たのだった。
「一寸の虫にも五分の魂」どころでは無いのだ。
人は、彼らほど「恩」とか、「愛」を知っているか?
程なく、憑き物が落ちた。
これを機に、自分が憑き物にやられることはほぼなくなった。
辛いことの後には、とんでもない喜びや学びがあるのだ。
彼らのおかげで強くなれた。
彼らに愛された私は幸せだ。
彼らに恥じないように生きたい。


コメント