古民家を購入した。
何だかおかしい。
住んでいない間は、しばらく獣の臭いがした。
多分山の物。
もう二人いたと後に気付いた。
老いた母とその息子・・・・の幽霊。
どうやら息子さんは精神を病み、精神病院に入院していた。
そこで向精神薬を投与され、鬱状態が激しくなり飛び降り自殺をし
熱情や炎症を冷まそうとする薬、例えばステロイドなどは、生きようとする意志も抑えてしまう。
普通、自殺者はその場所から何百年も離れられないのだ。
多分原因がほぼ薬だったので、早めに自宅に帰って来られたのだろ
老いた一人暮らしの母が亡くなった時、部屋の隅でうずくまってい
「母ちゃん」と、肉体から抜け出た母に声をかけた。
不憫な息子を放っておけず、母はお迎えについて行かなかった。
こんな絵が見えた。
成仏より子供を見守る事を選ぶ。
母とはこういうものなんだ。
命をかけるどころではない。
以降、閉ざされた真っ暗闇の家に、23年二人でただ座っていた。
その古民家に、不動産屋さんと一緒に背丈ほどもある藪をかき分
雨戸を23年ぶりに開け、光を縁側に入れた。
「おお、光だ!!」と、心が高揚したが、これはこの親子の感情だ
二人に気付かないまま、補修改修をしていた。
屋根を修理していたら、「飛び降りたら楽になるぞ」と囁いてきた
無視していたが、二度ほど高いところから落とされ、鎖骨を折った
怒った。
「そんな事してたら天国も地獄も行けへんぞ。
逆のことをやれや。
木登りしたりして、落っこちそうな子供達を助けてくれや。」
しばらく何も起きなかった。
ある日ツリーハウスを造りたいなと思い、榎の大木に登っていたら
落ちた時に受け身は取ったが、フワリと柔らかい感じがした。
無傷だった。
それ以降も転落時、フワリと落ちて怪我をしなかった事がある。
不思議な感触だった。
きっと彼だ。
私のことを、霊なのに、物理的に守ってくれたのだろう。
そのうちお迎えが来たようだ。
ある日、狐の嫁入り(天気雨)の後、鮮やかな二重の虹が架かった
虹の根元の山腹にはこの家の墓所がある。
「おや、○○家に良いことがあるのかな?」
なんて考えていたら、幽霊さん達がいなくなっていた。
家の空気が変わっていた。
虹の橋を渡ると言うのは本当だったんだ。
色々教えてもらった。
母の愛は切なくも偉大だ。
かくありたい。
私が死んだら、この二人に会えるのかな?
「あの時助けてくれたよね?」なんて確かめて、お礼したい。
しっかり生きなきゃ。

虹
この時の虹は写真にとらなかったので、とにかく虹の写真を載せました。


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